キヤノンのMG3530を購入していろいろ試してみました。USB接続ですと、Ubuntu本体及びWindows 7 on VirtualBox on Ubuntuでの動作は特に問題はなかったです。また、無線LANも若干印刷スピードが遅いようですが、双方のOSでも動作します。ということで、最後はSambaプリンターとしてWindows 7 on VirtualBox on Ubuntuで動作を試しました。これは、NGでしたが、同じUSB接続のEpson PX-101でも同じでした。ただし、有線ネットワークプリンターのブラザーHL-5250DNをSambaプリンター化して試したところ、こちらはOKでした。ということで、USB対応のSambaプリンターを問題なく動作させるためには、SambaおよびCUPSについての深い知識が必要のようです。以下、まとめました。
なお、キヤノンのMG3530よりもブラザーのPrivio N552Jの方が良い(と思われる)のですが、近くのヤマダ電機に行ったところ、なかったのでMG3530で我慢してくださいと言われましたが、数日経って同店に出かけたところ、返品受け付けますとのことでした。考えましたが、まあいいや!と思い、我慢することにしました。しかし、親切ですね。ここがネット販売と異なるところです。なお、ヤマダ電機のネット販売価格を調べて同店に行きますと、ネット価格で売ってくれます。ポイントもつくようです。さて、・・・
【1】環境
①SambaサーバーはUbuntu12.10のサーバー版(64ビット版)をデスクトップ化してSamba4をインストール
②Windows 7の64ビット版はVirtualBox64ビット版にインストール。
③Sambaの設定ファイルは以下です。
# Global parameters
[global]
workgroup = IT-ISHIN
realm = IT-ISHIN.COM
netbios name = UBUNTU
server role = active directory domain controller
server services = s3fs, rpc, nbt, wrepl, ldap, cldap, kdc, drepl, winbind, ntp_signd, kcc, dnsupdate
local master = no
os level = 33
prefered master = yes
load printers = yes
browseable = yes
[netlogon]
path = /usr/local/samba/var/locks/sysvol/it-ishin.com/scripts
read only = No
[sysvol]
path = /usr/local/samba/var/locks/sysvol
read only = No
[public]
path = /var/public
guest ok = yes
read only = no
[PX-101x]
printable = yes
printer name = PX-101x
# printing = bsd
cups options = raw
use client driver = yes
path = /var/spool/samba
hosts allow = 192.168.1.0/255.255.255.0
[MG3530USB]
printable = yes
printer name = MG3530USB
# printing = bsd
cups options = raw
use client driver = yes
path = /var/spool/samba
hosts allow = 192.168.1.0/255.255.255.0
[HL-5250DN]
printable = yes
printer name = HL-5250DN
# printing = bsd
cups options = raw
use client driver = yes
path = /var/spool/samba
hosts allow = 192.168.1.0/255.255.255.0
[print$]
comment = Printer Driver for Windows clients
path = /var/samba/printer
admin users = administrator
write list = administrator
guest ok = Yes
【2】Windows 7へのSambaプリンターのインストール
これは、通常のプリンターをインストールする手順と同じで、インストール・ウィザードを利用しました。ただし、最近はどのメーカーも専用のインストーラーを提供していて、こちらを利用することはないようです。手順をキャプチーしました。
ここで参照を押すと、次のようになります。
②SambaサーバーのUbuntuが表示されませんので、ネットワークのテキストボックスに\\ubuntuと入力
そうすると、Sambaサーバーの共有ディレクトリ、共有プリンターがでます。
③Sambaサーバーの共有プリンターを選択
ここでプリンターを選んでウイザードに従います。ドライバをインストールして下さい、と言われるので、それぞれのドライバーをインストールします。これで、コントロールパネルの「デバイスとプリンター」にアイコンが表示されるます。MG3530USBとHL-5250DNのアイコンが出来ました。
④結果
有線ネットワークに接続したHL-5250DNは問題なくテスト印刷ができます。しかし、USB接続したMG3530からテスト印刷しようとすると、「印刷中」の表示がでるだけで、プリンターはうんともすんとも言ってくれません。下図がそれです。
いろいろと試行錯誤しましたが結局、USBプリンターをSambaプリンターとして正常に動作させるためには、CUPSについての詳しい知識が必要のようです。ただし、不思議なことにSambaサーバー、つまり、Ubuntuを終了させるとテストページが印刷されました。CUPSの他にLPRという印刷システムがあり、これだとうまく行くかも知れませんが、システムをインストールしようとするとCUPS-BSDを削除しますとイヤミを言われるので、やめにしました。
【3】教訓
やっぱり、プリンターは有線LAN対応かつ両面印刷可能のものを購入するのが無難なようです。ただし、USB接続のプリンターはUbuntuでもWindows 7 on VBでも問題なく動くので、サイト管理者としては、大きなシステムを構築する場合以外はこれでこと足りています。なお、1万円を切る有線LAN対応の複合プリンターとしてはブラザーのDCP-J952Nがありました。
インクジェットプリンターの最大の難点は、インクカートリッジを頻繁に代える必要があり、レーザープリンターに比べて、ランニングコストが高いことだと思います。ということで、本体代をケチるのではなく、インクカートリッジが安く、ランニングコストをできるだけ低く抑えることができて、プリンターとスキャナーのドライバーのLinux版を提供しているメーカーのものを選ぶ、というのが基本だと思います。
※ネットワーク対応の複合プリンターの時代に入っていますので、イントラネットシステムでのSambaプリンターの需要は激減しているようです。やはり、ファイル共有がメインの役割でしょう。