鈴木憲治著「初めてのフレームワークとしてのFuelPHP第二版」の第一回を拝読してみましたか、FuelPHPがフレームワークとしてかなり強力そうなことが分かり、面白かったです。
対応するOSはWindows, OS X, Linuxですが、いずれもXAMPを使って環境を構築しています(第一部)。第二部ではフレームワークとは何かを初めての方でも分かるように説明しており、第三部では、具体例として「コンタクト・システム(企業に対する問い合わせシステム)」を実装しています。
ただし、フレームワークの「入門書」ではあっても、「PHPの入門書」ではないので、PHPの文法、特に、オブジェクト指向プログラミングについて基本的なことを理解し、それなりの実用システムを構築した経験が必要ということになります。
「実践編」では、プログラムの単体テスト、システム全体の機能テストとこれでもか、これでもかというほどテストの仕方の説明に紙数を費やしています。また、クロスサイト・インジェクション攻撃などに対する防御など、セキュリティ対策にも力を入れているのが特長です。開発環境としてはNetBeans8.xを使い、詳しく説明しています。この点でも、本邦初の感じです。ただしこのNetBeans、相当に高機能、多機能ですが如何せん、動作がもたつくうえ、フォントが汚い。ということで、ActiveStates社のKomodo Edit, Komodo IDEを使った方が話が速い。
ただし、本格的な開発をするのなら、インテルのCore i7でも搭載し、高速のGeForceを装填した開発マシンを作り、Javaのフォント機構を調べたうえで、快適な環境を構築する必要があるのでしょう。題材の「コンタクト・システム」ですが、問い合わせをデータベースに保存するシステムに作り上げていますが、基本的には単一のテーブルを使うだけなので、実用的には物足りなさを感じます。「ECサイト」とか「CMS」を題材にすれば、もっと面白いのではないかと思います。